理事長ご挨拶
公益財団法人日本訪問看護財団
理事長 田村やよひ
日頃より日本訪問看護財団の諸活動に多大なご支援をいただいている諸団体、個人の皆様に厚くお礼を申し上げます。また、当財団が提供している研修や出版物などをご活用くださっている看護職の方々、当財団の事業所による訪問看護・在宅ケアをご活用いただいている皆様方にも深く感謝を申し上げます。
今年の秋、当財団は設立30周年という節目を迎えます。これを記念して11月30日の「訪問看護サミット2024」では、“すべての人にウェルビーイング~地域共生社会の推進に向けて~”というテーマを設定いたしました。このテーマのもと、記念講演「ポスト2025年の在宅医療と訪問看護への期待」、特別講演「訪問看護におけるウェルビーイングとは」、そして対談「ナイチンゲールの地域看護思想から学ぶ」など多彩で魅力ある企画を準備しているところです。多くの方々のご参加をお待ちしております。なお、本ホームページには、30周年特設サイトもありますので、ぜひご覧ください。
今年4月から始まった第8次医療計画では、在宅医療の推進がこれまで以上に幅広く取り上げられています。2040年をピークとする多死社会の急速な進行の中、国民の多くは住み慣れた自宅で穏やかに最期を迎えたいと考えていることを受けて、訪問看護師による在宅看取りの推進が挙げられています。昨年発出された厚生労働省医政局の通知にも「医療と介護の両方を視野に入れ、利用者の状態の変化に対応し、最期を支えられる訪問看護の体制整備」が記されており、それを進めるため24時間の訪問看護や機能強化型訪問看護ステーションの整備も課題とされています。当財団はこうした政策の動きを先取りする形で、2020年度から5年計画で「訪問看護師向け在宅看取り教育プログラム」の開発をすすめてきました。今年はその最終年度となりますが、多くの訪問看護師が在宅看取り教育プログラムを受講され、多くの国民が願っている、“自分らしく、住み慣れた自宅で最期を”の推進役になってほしいと心から願っております。
日本訪問看護財団はこれからの超高齢・多死社会における地域共生社会の構築に力を注ぎ、訪問看護の発展、推進に全力で取り組みます。どうか、皆様のご支援のほどを宜しくお願い申し上げます。
2024(令和6)年7月