訪問看護等在宅ケアの普及を図り、人々が自分らしく生ききる社会の実現に貢献します。

理事長ご挨拶

理事長ご挨拶

公益財団法人日本訪問看護財団
理事長 田村やよひ

この度7月14日付で理事長を拝命いたしました。1年半後には創立30周年の節目を迎えようとする当財団は、これまで吉原健二先生、清水嘉与子先生という広く深いご見識と政治力のある二人の理事長の下で、大きく発展してまいりました。世界のトップを行く超高齢社会と100年に1度のパンデミックという2つの大波の中、先輩の方々の成果を大切にしながら、新たな時代の要請に応えるべく、私も微力ながらも精一杯、訪問看護・在宅ケアの発展に力を尽くしてまいりたいと決意を新たにしているところでございます。どうかご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

私は平成18年から国立看護大学校で10年、その後日本赤十字九州国際看護大学で4年、看護学教育に携わってまいりました。それ以前は、厚労省医政局看護課で13年間看護行政に携わり、その間には看護基礎教育への「在宅看護論」の導入や「訪問看護推進事業」の予算獲得と都道府県と連携した事業展開など、訪問看護・在宅ケアに関連する政策に関わってまいりました。訪問看護との接点は、親を在宅で看取る際、訪問看護ステーションの看護師の方々にお世話になった個人的な経験だけですが、今後は本財団の会員の皆さまからさまざまな情報をいただきながら、職務に精進していく所存です。

さて、新型コロナウイルス感染症のパンデミックは早くも3年目となっております。このコロナ禍は、普段は地味な訪問看護・在宅ケアの活動に多くの国民の眼を向けさせ、訪問看護師の高い専門性が認識されることにつながったように思われます。特に、病状悪化が急速に進む中、入院したくともできず不安におびえている在宅療養者や家族に対して、訪問看護師たちは療養者の命に寄り添い、尊厳を守る質の高いケアを提供してきました。重症者に対する集中ケア病棟での看護活動などと併せて、コロナ禍における看護活動は多くの国民・政治家の心を動かしたようで、給与も少しは改善されました。しかしながら、その額の適正さと対象者、そして継続性において、もどかしさを感じます。これは看護職全体の社会的地位向上の課題でもありますので、日本看護協会や関連諸団体と連携して取り組んでいきたいと考えています。

団塊の世代が全員75歳以上となる2025年はもうすぐです。地域包括ケアシステムの構築も各地で進みつつあると思いますが、地域の状況は個々に異なっていますから地域社会の人々とともに創造していく部分が大きいと思います。そのシステムの中核になるのは、医療も福祉も常に視野に入れて人々の暮らしの場で活動する訪問看護ステーション・訪問看護師の皆様であるに違いありません。皆様の活動をしっかりと後押しができるよう、職員と力を合わせて、教育研修事業、ステーションの運営支援事業、政策提言、研究助成等を進め、公益財団法人にふさわしい活動成果を上げたいと念じております。皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

令和4(2022)年7月14日

 

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