ナイチンゲールの看護覚え書きの中で、看護師の余計な一言はどれだけ患者を傷つけ、生きていくための自然治癒力を低下させるかが書いてあります。

このことは、看護師として同時に一人の人間としてとても重要なことです。

看護師の「あら、少しやせましたね」「顔色悪い」とかいう言葉や、「しなかったんですか?」「できなかったんですか?」などの言葉は、患者の健康回復に何も意味を持たず、反対に患者さんに自信を失わせてしまう言葉です。

これは、通常の人間関係でもいえることで、人に対して、皮肉や「思いやり以外の笑い」、相手にとって何の利益にもならない言葉を発することは、その人の人間性を表しています。

自分の発する言葉や表情、態度がどのように相手に影響するか、その人の気持ちに響くか考えない人は、自己中心的で人の気持ちを思いはかる人間性が不足していることだと思います。

人間力が看護師にはとても重要であることは言うまでもありません。

人間性は肩書や社会的地位、専門職としてのキャリアと比例するものではないと感じることは残念なことですがよくあります。

事務職でも素晴らしい人間性を備えた配慮ができる人、素晴らしい専門性があるひとでも感情のまま、場所や場面を問わず責め立てる人、様々です。

ナイチンゲールの看護覚え書きはすべての人に当てた書物ですが、人間性を豊かに周りのひとを元気にしたい人は必読の本だと思います。

自分自身も忙しさに追われる日々であればなおさら、このことをきちんと考えたいと思います。