専門職を意味する  professionは,    「神の面前で(pro) ]     [誓いをたてる(fession)] に由来するそうです。

専門職として誠実に仕事を行うことを神に誓約するからこそ、世俗の規範には拘束されないという意味です。

そのため profession と呼ばれる職業は、力や世評、欲に惑わされることなく、みずから正しいと信ずることにしたがって仕事を行える責務と特権があるのです。

また、アリストテレスは「大工は建築をすることによって大工となり、琴弾きが琴をひくことによって琴弾となる」ように実践知は重要であると述べています。

 

マニュアルやすばらしい教育カリキュラムで理論を学び、一生懸命正しい看護を実践するのではなく

アリストテレスは、経験的に身に付いた徳によって自然に適切な行為が行えるようになること、これが、よい看護師になることだと述べています。

よく、あすか山訪問看護ステーションにきたら、いろんなことを教えてもらえる、教育プログラムによって、自分もよい看護師になれるのでは、と勘違いしている人がいます。

専門職は、その専門職としての経験を丁寧に倫理的判断のもと、誠実行って、はじめてよい看護師になれるのです。

あすか山訪問看護ステーションには小児、がん、精神、難病などすべての対象のかたを訪問看護できますので、

経験が豊かに、かたよりのない看護実践により、よい看護師になる可能性が高い、ということはあるでしょう。

よい看護師か、そうでないのかは、日々の目の前の患者さんへの看護を行うときの、姿勢や取り組み方なのではないかと思います。

私たちの専門職としての実践は、たかが、診療報酬の値段が高いのか、安いのかにしばられるのではなく

自分が必要だと思ったことを実践すべきなのです。

その積み重ねが豊かな実践知をはぐくみ、正しい看護師のみならず よい看護師になるのだと思います。

あすはクリスマスイブです。

あすか山訪問看護ステーションのスタッフにはこれらのことが書いてある論文をプレゼントしようと思います。

                                        平原優美