今日は午前中、今年の6月にお看取りした私にとって、とても大切なかたの娘さんと語らいました。

懐かしいそのおうちにお伺いして初めてお会いしたころからの話に盛り上がりました。

このおうちで、初めにお父さんの訪問看護にお伺いしたのは、32歳の初めて訪問看護ステーションの所長になった時でした。

一生懸命の9年間でした。

2005年の9月に在宅でお看取りをしました。私が訪問看護認定看護教育課程に10月入学が決まっていましたから、直前でのお別れでした。その後、一緒に介護していた娘さんの闘病の姿に心を痛め、緩和ケア病棟でしたから、今でもその最後に看護師として関われなかったことを私は悔いています。いつも、私の心の中にあり、風景を見ながら、笑顔をふと思い出したり、今でも、涙が出てきてしまい、乗り越えていないと感じます。

その後のお母さんの在宅看取りでは、私は、正直自信がありませんでした。涙をこらえられるか、プロとして笑顔で看護が提供できるか、自分の心はお別れをしたあと大丈夫か・・。

でも、お母さんの笑顔が私を支えてくれ、今、看取って半年近く経つけれど心の中があったかくなるような気持ちでいられます。

主治医と一緒に、娘さん二人と、4人で、今では、誰もいなくなったこの懐かしいおうちで、お父さん、お母さん、娘さんの思い出話をしました。

私の心がいやされていくのがわかります。娘さんと涙を一緒に流しながら、時に、笑いながら、本当に大切な出会いを感じました。

そして、私は、3人のお位牌を前に、看護師として、もっともっと誠実に、自分の未熟さを見つめながら、頑張らなくてはと思いました。

主治医もこの3人とのかかわりから、自分ができる今後の在宅医療に責任を感じるという気持ちであることを知り、なにか、できたらいいな、と思いつつ、今は、とにかく、自分の力をもっとつけることであると思いました。

でも、必ず、力をつけて、この大切な3人の方からの学びを何か残る形を地域に残して、後の世に引き継ぎたいと思いました。

その責任を今日、負ったと感じました。

こんな未熟な自分を信じてくださる人に私は支えられて、背中を押されていると感じましたし、一人でも、私の行う仕事に、期待をし信じていただけることがある限り、私は、もっと頑張れると思いました。

今、私がやっていることすべては、私個人のためではなく、これからかかわる大勢の患者さんのためだからです。

本当に、今日は、私の大切な日になりました。