9月24日に、上記の学会のシンポジウムで発表しました。

この学会で初めて、在宅のテーマでのシンポジウムということでした。

座長の国立がん研究センター東病院の木下先生は、在宅におけるサイコオンコロジーというテーマは初めてで、と何度もおっしゃっていました。

同じ座長の日本赤十字看護大学の福井先生から、今回ご依頼を受けたのですが、看護のそのままを話してくださいという言葉で勇気をいただいたように思います。

訪問看護師がこの学会で話すのは、初めてのようでした。

フロアは、ほとんどが病院の精神科や緩和ケア病棟の医師、看護師、リエゾンなどということで、果たして、このテーマで、どれくらいの方が来てくれるか不安でしたが、たくさん来ていただきました。

発表のあとで、小児科医の先生が来ていただき、お話しすることもでき、うれしかったです。

小児のがんで家庭に返すことの現状がまだまだ厳しいことを共有しました。

他に千葉大学大学院看護学の石橋先生、埼玉県立大学の藤井先生(精神科の先生)、千葉県がんセンターの秋月先生(精神腫瘍科の先生)でシンポジウムはすすめられました。

藤井先生には、始まる数分前にブログよんだよ、とおっしゃってくださり、リンパマッサージについてのご意見を聴かせていただいたり、石橋先生からは、修士の1年におもて参道訪問看護ステーションにいた看護師さんが入学していますよ、と言われたり、うれしい気持ちになりました。

 

私は、今回、この学会に参加して、感じたことがあります。

他の国の流れは、専門分化の医療ではなく、総合医療、つまり、緩和医療も含めた、総合医が地域にいて、病院の専門分化した医療を有効に使い、予防、という視点、地域という視点をもった、全人的な医療を行う方向にあります。

日本も、次第に、地域、在宅で心と体を分化しない、あるいは治療と緩和の両方の知識をもつ総合的に生活の視点をもった医療が必要であることが考えられていると思います。

看護も同様に専門的な病院には、より専門領域の高い知識と技術をもった看護師と、在宅での総合的な看護のできる看護師が求められているとおもいます。

病院の専門化が加速し、高度な治療を行う場ほど、その身体治療に医師は集中しなければならないので、精神腫瘍学のような専門的なこころの専門家が必要なのだと思います。

在宅では、年ねん医師も生活の視点をもった、こころも体も総合的に診れる医師がふえてきました。在宅看取りのできる場では、医師も看護師もその他のメンバーも総合的なケアを意識し、そのひとの、病気のみを見るのではなく、長い人生そのものを見つめ、家族と患者両方へのケアが自然に、当たり前におこなえています。

その中では、心のみの専門的な困難ということはあまり感じません。

サイコオンコロジーの先生がたは、さぞかし在宅では、精神の専門家がいないので困っていることだろう、というご心配をお持ちのように思います。

でも、その人の人生に寄り添っていると、こころの叫びの理由が病院より見えやすいので、そこに必要な援助を行えばいいのです。なれない病院の環境と、つらい治療の中でのこころの病は、案外、住み慣れた我が家で、大切な人に囲まれた静かな環境で、癒されて問題がなくなるのです。

これは、私の感想ですが、ほかの方は違うかもしれません。

学会にスタッフと参加できて、一緒に勉強できたことは本当に良かったです。