今日は、待機で、お二人の在宅看取りを行いました。

本当に、頑張られていたお二人の姿や、笑顔、意志をはっきりおっしゃっていたそのきりりとした表情を思い出しながら、エンゼルケアをさせていただき、お顔を整えさせていただきました。

家族とは、涙目ですが、笑顔で、「ひげはやはりそろうか」と娘さんの言葉にうなづきながらゆっくり、まだ、温かいおからだに触れていました。

お二人とのお別れをして、外にでると、大きな高い空に、白い雲が模様を描いて流れていました。

昼はまだ、暑いですが、夕方は風が涼しく感じられました。

いつも、私は、空に癒されます。

その空は、雨でも、曇りでも、青空でも、いつも私の上にあります。

ときに、やさしく、ときに、頑張れと言われたり、私の心に寄り添ってくれます。

上を向いていたら、二人のお顔を思い出し、涙があふれました。

訪問看護は、出会い、関わり、そして、こうやってお別れしていきますが、その一人ひとりの人生のひだに触れさせていただく喜び、そして、自分自身の生きざまへの問いかけをいつも感じ、自分の未熟さを素直に感じることができます。

それは、大きな自然の中で、自分もこの自然の営みの中での一つの命であること、患者さんは、長い人生を生きてこられて、このかかわりは、ほんの一面であり、医療はその方の長い人生の最後には謙虚であることが大切であることを感じるからでしょう。

医師や看護師が命に対して横柄であることは、何かを見失ってしまう危険があります。

病院という環境のなかで命に向き合うとき、自分の命を感じることは難しいように思います。

この、大きな空の下、そのかたが生きてこられたおうちで関われることの感謝の気持ちで家に帰りました。

合掌。