母親を介護し、看取ったとき心の中で、奇跡がおきて、

昔のような生活に戻れたら、と祈りながらも、素人だった私は非力を感じていました。

看護師となり看取りをしても、終末期のケアをしていても、こころの中で「どうか奇跡がおきて元気になってほしい」と祈りをこめてケアを行っていました。しかし看護師として病院ではそんなことは医療者として科学的でない、といわれそうで、誰にも言えませんでした。

それは訪問看護師になってもしばらくそうでした。

この数年進化医学にもとづく人の体のしくみや持っているすごい力を勉強するにつれ、また、ヒトの進化は必ず、奇跡的な変化現象が起きてきたことを学ぶにつれ、奇跡は科学者であればあるほど信じているということがわかってきました。

さらに勉強すると、ヒトの体の自然治癒力を引き出すケアの効果はすごい、ということがわかり、ケアの中でも看護学の実績はすごい。

病院の看護師は診療の補助業務に追われていることに、もったいないと思います。看護がどれだけ人の体を変化させるかを知らず、医学に頼ってしまう。

人間科学は、医学と同様人を変化できる科学です。人間科学には、看護、教育、哲学など多くの学問を含みます。

祈りをこめて自分の体を使って手当(看護)を行うことは、人を癒し、力を引き出すこととなり、結果奇跡は起きることもあります。

祈りを込めて、私も過去の大先輩と同様、看護を丁寧に行いたいと思います。