「不定愁訴って本人の前で言われてつらかった」と話す往診同行したスタッフと、どうしたら往診医に痛みの緩和医療をしてもらえるか、とりあえず酸素は入れてもらいましょう、と話したのは夕方でした。

受け持ちスタッフはいつも一生懸命で、寄り添える感性をもった素敵な訪問看護師です。

数日前に一緒に同行訪問し緩和ケアをしました。ケアを終えた時本人は、受け持ちスタッフがおいたアロマオイルの香りが心地よく深い眠りにおちたところで、そおっと二人で帰りました。(御主人に挨拶だけして)

痛みが続き全身の様子からの私たちの判断と医師との判断が違う結果となり、翌日私の訪問予定としました。

しかし、その夜激痛は続き、救急車で病院に行かれ、翌日お亡くなりになりました。

御家族と話したあと、夕方雨の中、車をとばしスタッフと一緒に安置所に行きました。

受け持ちスタッフと手を合わせながら、行き場のない感情がのこりました。

私はこの「不定愁訴」がいつも苦手です。それと「わがままな患者」という言葉に嫌悪を感じます。

吐き気がするほど嫌いです。

スタッフと帰りの車で振り返りや感情の表出ができ、2人の心は少し整理できましたが、家族の気持ちを思うと悲しくなります。

厳しい状況であると前から説明は受けていた家族にとって痛みに苦しむ様子を見ることはつらかったことでしょう。

忘れられない出来事となりました。

                                      平原