ステーションのトイレ読書を今月から、ニーチェにしました。ナイチンゲールに始まり、「ケアの本質」は言い回しが難しく
、トイレの短時間での読書の限界を感じ、今回ニーチェに変更しました。結構スタッフには好評のようです。
哲学は、看護には重要です。自分の生きざまや生きていく姿勢が利用者の方へのケアにも滲みでてしまいます。
先日夏休みを5日間いただき、屋久島へ家族で行ってきました。10時間以上の登山と、5時間のもののけの森登山の2度、屋久島の山へアタックしました。
縄文杉の森は、人が入った森という印象で森と人の共存の姿を感じ、迫力満点でした。
しかし、もののけの森は、本当にすべてが苔で覆われ、人も他の生き物と同様、この森の大きな懐の中では小さく思えました。
苔の世界の静かな森に腰をおろして休憩していたら、私の横をオスじかが通りすぎました。静かに、ゆっくり、私を受け入れてくれたようでした。
忙しい日常生活では感じない自分自身を実感しました。
私の命のまま生きることとはどういうことか、人生を医療・看護という仕事をとおしてどう生きるのか、そして、いずれ訪れる最後の瞬間をどのようjに迎えるのか、夫婦で話しました。
どう生きるのか、まさに、それは哲学です。
夏休みが明けて初めて訪問をしたがん末期のかたの、「これからどうなるのかね・・・」と小さくつぶやき遠くを見つめるその姿に、その魂がどうか安らぎ、まるで、森の中に包まれているあの安心感が訪れるといいのにと祈る気持ちになりました。
ずっとお風呂に入れなかったというそのお体を熱いタオルできれいにし、洗髪も行い着替え、背中をゆっくりさすっていたら、浅く早かった呼吸が、大きな深い呼吸となり、「はー、楽になった・・・」と目を閉じられました。
はっかのアロマをそっと枕元に置くと、「あれ、息が楽になったようだ、いい香りですね」と酸素のカヌラに手を置かれ、もう一度大きな深呼吸をされていました。
私も一緒に大きな深呼吸になり、背中をさすりながら、私の魂は、この方の看護を通じて安らかになるんだと改めて知りました。
私は、自分の魂の安らぎのために看護をさせていただいていると思います。
すべての方にありがとうございますと感謝です。
平原