毎日の訪問看護は、さまざまな病気を抱えて苦しんでいる方との出会いから始まります。

ですから、

一生懸命その人と向き合うと、その痛みをどうにかしてあげれれば、原因はなにか、医師の治療はよいのか、何かほかに方法はないのか、この症状の原因はなんだろうか、と医学書を丁寧に読み、肝臓の解剖・生理、治療方法などの勉強をし、薬学などもつい勉強したりしがちです。

医師は病気の診断をし治療方法を決定しなければならないので、遺伝子レベルまでの分析に向かいます。(治療専門の病院の医師)

しかし、看護学は違います。

 その人の生活、つまり生きることを体、心理、家族、社会などあらゆる角度で「生命力」を引き出す方法を考えます。

人の理解、コミュニケーション方法を看護師自身の全人間性をかけて行わなければ、患者さんの心のひだに触れるような、繊細なケアはうまれません。患者さんの細やかな表情の変化が気になって仕方ありません。

「人」の理解、それを自分の中で、消化すること、それは、患者さんを看護師のこころで大きくつつみ、いとおしさにあふれる自分のこころを相手につたえること、これが必要だと思います。

「人」を理解する学問がこれまでの歴史の中で、たくさん生まれて、発展してきました。

人間学、哲学、宇宙、心理学、社会学、教育学、環境学すべて、人の理解へつながります。

 

人の生死にかかわること、人の人生にかかわること、そんな看護は、深めれば深めるほど、あらゆる学問に魅力を感じます。

そして、「人」のスケールの大きな面や、繊細な面、あらゆるものさしを身につけることが大切です。

看護学はあらゆる学問を含んだ、すばらしい学問だと思います。

 

そんな、仕事をしている人の働く職場は、どこの職場より、やさしい、配慮ができる職場でなければならないと思います。人を愛する心、人を好き、という感情があふれているといいですよね。

私は、あすか山の職員すべてを愛し、患者さん、家族を愛しています。そして、この北区の地域の方すべてにいとおしさを感じます。