先日街でずいぶん前に在宅でのお看取りをしたご家族とお会いしました。すれ違いざまにお互いに、あっと気が付いて、言葉なく駆け寄り手を握りました。

言葉はなく家族は涙を流され、私は言葉はなく背中をさすり、お互いの共有した時間と場面を思い出していました。

元気でよかった、と私は心で話しかけ、家族は、私もまた歩き始めました、と眼で語ってくれました。

看取ったあと何度かお伺いしていましたが、どうしても辛さから、もとの生活が送れなく気になっていたかたでした。

「いまはこんなおばあさんになり、ありふれた毎日をおくれ、生きていることに感謝しています」と笑顔でおっしゃってくださいました。

生活を壊してしまうほどの辛さを経験すると、穏やかにおくれる日常生活のありがたさが身に染みるものです。

もちろん寂しさはありますが、くらしを丁寧におくるなかで人は癒されるのだと思います。

そのあと偶然にスマホで見つけた歌に心ひかれました。

かとうれいこさんの歌でした。

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