木曜日の昼前に病院から、新規依頼がありました。

通院していたがん末期のかたが、自宅で意識も低下してきたので緊急の訪問依頼でした。

前日に往診医も緊急でお受けいただき、看取り体制は整っていました。

あすか山にご依頼される前に別のステーションに打診したら、断られましたという、ほんの一言が私の心にずっと残ってしまいました。

その日の夕方、予定の訪問が終わり、3人で訪問し全身を拝見、緩和ケア、ご家族が不安にならないように、これからおこること、看取りかたなど説明しました。

翌日2人で、昼の時間に訪問し洗髪し、マッサージ、アロマによる呼吸困難緩和を行い、エアマット導入を手伝いました。

午後、状態は変化、往診医により在宅酸素が搬入されました。

私たちは土曜日の朝の訪問をお約束しましたが、土曜日7時58分にお亡くなりになりました。

エンゼルケアに2人でお伺いし、ご家族で看取られた様子に、素晴らしい家族のお力や、ご本人のこれまでの生きてこられたご様子を想像し学ばせていただきました。

たった2回の訪問後のエンゼルケアでした。

その帰り道思いだすのは、最初に依頼があったステーション(どこかはしりません)のことでした。

なにか事情があったかもしれません。しかし、どんなに忙しくても、まったく時間が取れなことはないはずです。

私たちも余裕があるわけではなく、緊急なご依頼のときは、昼休みや、夕方予定が終わってからです。

往診の医師も多忙なかたですが、この短い期間に何度も来ていただき、看取っていただきました。決して、空いていたから受けたわけではないと思います。

病院の連携室、往診の医師と同じ寄り添いの覚悟をもって連携することは、在宅看取りの醍醐味を感じ、やりがいを感じることができます。

私は、一人の看護師として患者の命の最後にかかわる仕事をさせていただいている限り、大切なことは真摯な態度と寄り添いたいと心の底から思い、自分にできることを全力で行うことだと思います。

どうか、訪問看護師すべてが、寄り添いの覚悟をもち、緊急のSOSには、大丈夫ですよと依頼された方が安心できるように引き受けてほしいと思いました。