私が認知症看護認定看護師になる前のお話。

ある日のこと、重度の認知症の利用者さまを訪問しました。

日中独居の方で、その日はおなかの調子が悪く失禁しており、シーツ、パジャマが汚れていました。

普段はヘルパーさんが環境整備をしてくれるため、私はシーツやカバーの収納場所がわかりません。

この場所にいるのは利用者さまと私だけ・・・。シーツはどこにあるの・・・。利用者さまは言語的コミュニケーションが難しく、妄想も強い方。どうしよう・・・。悩んだ挙句、私はその利用者さまに「あの~、シーツはどこにありますか?」とたずねたら、「あっ、あそこのふすま開けて」と返答がありました。そのふすまを開けると、なんときれいなシーツがあるではありませんか!

重度の認知症であっても、レビー小体型認知症のような認知機能に変動がある方だと、このようにふとしたきっかけで適切な答えをいただくことができます。また、いま振り返ると、重度の認知症だからこの人はわからないと私自身が勝手に決め付けていたのではないかと反省させられます。

シーツのありかを教えていただいたのと、私の認知症の方に対する偏見に気付かされたある場面でした。