あすか山訪問看護ステーションには現在POOマスターが3名在籍しています。
POOマスターとは石川県小松市で「ややのいえ」を営む、榊原千秋先生による排便ケアを基軸としたコミュニティケアのプロフェッショナルの認定資格です。
榊原先生との出会いはコロナ以前に日本訪問看護財団が主催する訪問看護サミットにご登壇いただき、講演を拝聴したことが始まりでした。その後、私が修了した聖路加国際大学の訪問看護認定看護師教育課程に特別講演でいらっしゃる機会にも恵まれました。
当たり前のことですが排便は「気持ちよく出す」ものです。私たち医療者はいつの間にか利用者さんの排便を「管理する」という言葉を使い、排便ケアの間隔を感覚的に決めてしまいがちです。排便は出ていればいいものではなく、「気持ちよく出す」もの、それはどの方にも大事なことであることを気付かさせてくれました。
POOマスター養成研修で「排便を整えることは生活を整えること」の視点を学び、実践を通してこのメソッドによる利用者さんの喜びや支援者のやりがい、その周りの人たちの変化を肌で感じ、これを知ってしまったからにはもう後には戻れないと実感しています。
その後、東京都訪問看護教育ステーション事業の勉強会にて榊原先生がお話をしてくださり、利用者さんご自身やヘルパーさん、ケアマネさんにもその考え方を聴いていただきました。やはり排便のことはみなさん関心があり、ヘルパーさんには私、河西も何度かPOOマスターの勉強会開催のご要望をいただきお話しさせていただきました。
所内でもその人の排便周期をしっかりアセスメントすべく、気持ちよく出すことを目標に排便日誌をつけることを浸透させ、ご本人、支援者も巻き込んだ排便ケアの実践につながっています。
そんなPOOマスターは全国で900人を超えました。さらに学びを深め、POOマスター同士も連携しその地域で力を発揮すべく、先月、東京連絡会が開催されました。腸内環境の研究は日々進んでおり、新しい知見の共有やそれぞれのフィールドでチャレンジしていること、悩みの相談、ネットワークの構築などこれからは自分たちでさらに発展させていくというエネルギーに包まれ、私もあすか山で頑張らなくては!と決意を新たにしたところです。
早速、職員からも相談を受け、排便日誌によるアセスメントはもちろん質の高い工食物繊維やFODMAPについても情報提供し、POOマスターネットワークでサンプルを取り寄せるなど少しいいところを見せています(笑)
以下は今年度の東京開催のPOOマスター養成研修のお知らせです。ご興味ある方は是非足を踏み入れてみてください。
お腹のマッサージの実演や最近は私の時にはなかったAIエコーのこともプログラムに組み込まれており、研修内容は日々進化しています。参加できる方は対面研修をお勧めします!
所長 河西真理子
【POOマスター養成研修会_東京開催】
排便ケアを受ける相手の気持ちや悩みを自分事として考え、共感できるコミュニケーション力を身につけることができます。又、その人の望みを真ん中にして、その人や家族を含む地域の人たちと、医療・保健・福祉をはじめ各分野で働く人たちが協働して助けあえる仕組み作りについても理解することができます。
研修1、2日目 5月24日(土)、25日(日)
研修3、4日目 6月21日(土)、22日(日)
認定講習会 9月23日(火・祝)
【排尿のコンチネンスケア_東京開催】
研修1日目 5月24日(土)
研修2日目 6月21日(土)
<会場>
太陽化学株式会社 本社8階ホール(東京都港区浜松町1-6-3)
HPでご確認いただけます。
http://sorabuta.com/product/poo_unchicchi/