前回の投稿より長い期間が空いてしまい、久しぶりの投稿となってしまいました。
在宅緩和ケア医師の萬田緑平先生と、在宅療養患者さんを描いた映画「ハッピー☆エンド」。大阪上映初日に副所長と鑑賞してきました。
笑いあり涙ありとの前評判。ひねくれ訪問看護師の私は、「在宅看取りのよさは知ってるから泣かへんよ。でもどんなんか見てみたい!」の思いで臨みました。
で、やっぱり大泣きしちゃいましたー(笑)
私は、病院という看護師の王道?から飛び出して在宅にかけた看護師の端くれとして「在宅っていいよ、利用者さんにとっても医療者にとっても」てことを多くの人に知ってもらいたいと日頃から思っていました。でもなかなかうまく伝えてこられなかった。
この映画は、そんな私の思いを代弁してくれるようでした。
5人の末期癌患者さんの生き様と逝き様。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、どの方も素晴らしいものでした。
自分ごととして心に残るのは、女手一つで2人の娘を育て上げたお母さんの姿。娘や孫たちに励まされ、生きるために何度も抗癌剤に耐えてきたけれど、もう効果より副作用が勝って体力がもたない。「もう治療やめたい」て本音を長女さんは見るに見かねて理解してくれたけれど、次女さんは「治療を諦めるなんて絶対ダメ、頑張ってほしい」と。在宅でよくある場面です。
萬田先生の言葉が私の心にブッ刺さりました。(ネタバレになるので書けません、ごめんなさい)
映画の最初は「萬田先生みたいな在宅医がいていいなぁー」と羨ましくなりました。でも利用者さんに関わるのは多職種チーム。しみじみとした、悲しい寂しいけど、よく生きたねとありがとうで満たされたお看取りに、私たちも脇役で関わらせてもらっています。今回映画で客観的に見られて、先生もスゴイけど訪問看護師てええやん!て思いました。
実際はこんなハッピー☆エンドばかりじゃないし、いろんな思いが交錯するけれど、私たちは利用者さんの生き様逝き様をかぶりつきで見せていただくことで学び、自分の生き様逝き様につながっていると思います。
それにしても「これが萬田流!」と、余命宣告された患者さんに、先生が与えるミッションがあるのですが、それらには度肝を抜かれました。
人は課題や役割を与えられるとこんなにも頑張れ、輝けるんだと今更ながら知りました。
利用者さんを病人、守るべきか弱い人と思っていた自分が恥ずかしい。萬田流とまではいかなくても、ちょっとした無茶振りを私もしてみたくなりました。
映画終了後に、映画監督と医療関係者のトークセッションがあったのですが、登壇された訪問看護師さんが「キャンナス」という名の全国ボランティアナースの会を組織運営されていました。
それは、地域に住んでいるナースが、忙しい家族に替わって介護のお手伝いをする、というものです。旅行介助、受診介助、冠婚葬祭の介助、家事や留守番、終末期ケアなど多岐に渡ります。介護に疲れた家族を支え、介護保険や医療保険では支え切れない場面で利用することができます。完全ボランティアではなく有償だけれど、負担の少ない料金体系、とありました。
私もいつかその活動に参加してみたいと思いましたし、利用者さんにはそんなサービスがあることをお伝えしたいです。
映画「ハッピー☆エンド」医療関係者にも、そうでない方にもぜひ。