「療養通所介護事業の適切な運営に関する調査研究事業」報告書
(平成19年3月:日本訪問看護振興財団)のあらましをご紹介

 平成18年4月からスタートした「療養通所介護」ですが、平成19年2月までは「難病」と「がん末期」の対象者に限られました。そのような状況下の調査結果ですが、以下に研究要旨を簡単に紹介します(対象事業所数は35ヶ所)。

1.事業所の現状

1)事業概要
 平均定員数は4.1人、1日の最大平均利用者数は3.1人。職種別従事者の割合は看護師59.9%、介護職員(介護福祉士除く)23.6%、介護福祉士7.1人となっていた。

2)サービス利用者
 難病は41.4%、がん末期は20.7%、その他が33.9%で、86.2%は要介護度3以上。利用者ニーズとしては入浴、外出の機会、家族のレスパイトなどが挙げられた。

3)安全・サービス提供管理委員会
 事業実施報告、緊急時対応や主治医・ケアマネジャーとの連携などを協議した。緊急対応を主治医に依頼したことがある事業所は8事業所で、発熱、SPO2の低下、留置カテーテルの詰り、人工呼吸器の設定変更などであった。

4)送迎
 車椅子対応の送迎車を59.7%が使用。看護師が98.1%は同乗して、状態チェックと緊急時の連絡体制を整えている。

2.実施上の課題

 ○送迎時や入浴介助時に多くの職員を要し、今後は人件費・設備費等の分析が必要である。

 ○定員数が少ないためのリスク(受け入れ不可能、当日のキャンセルなど)、介護保険以外の対象者の受け入れ、泊りまで含むサービス利用ニーズなどがある。

 ○訪問看護師不足のなかで看護師確保難、看護と介護職員の役割分担等に試行錯誤している。さらにサービスの標準化が求められる。また中重度者を支える地域ケアモデルの構築が望まれる。

 ○地域住民やケアマネジャーへの認知度をあげる必要がある。

※報告書が必要な方は、日本訪問看護振興財団(研究:03-5778-7004)にご連絡ください。