気温の上昇と共に桜の花が開き、春を感じられるようになりました。今年の冬は例年にない寒さが厳しく、雪による被害も多く報道されました。雪の多い地域の方々には本当に大変だった事と思います。訪問看護師は暑さにも寒さにも嵐にも負けず・・・たくましいなあと思っております。

さて、おもて参道訪問看護ステーションでは地域の方々と共に質の高いケア(看護職に限らず)提供し、安心して暮らせる地域づくりを目指して、研修会を行うことにしました。急に日程が決まり、平日の午後という、サービスを提供されている方々が多い時間帯になりましたが、地域の方も10名ほど参加して頂き、無事に開催する事ができました。今回は、東日本大震災でボランティアとしてご遺体の復元とお見送りをされた復元納棺師の笹原留似子さんに『亡くなってもその人の尊厳を守るために』と題して約3時間にわたりご講義頂きました。

東日本大震災時のボランティア活動のご様子を紹介いただきましたが、改めて震災の大きさを思い出し、震災により尊い命と日常が奪われた悲しみに思いを馳せ、ほとんどの参加者涙しました。現在も先生はグリーフケアとしてご遺族の方々の訪問を続けられているとのことでした。その後、先生が実際に行っているエンゼルケアについてご講義ありました。死化粧についても演習しながらポイントを教えて頂きました。参加者のほとんどが看護師であったこともあり、熱気に包まれた講義となりました。

先生の講演の中で「悲しみの中に思い出があり、笑顔があり、温もりがある」との言葉が印象的でした。また、マザーテレサ氏の言葉「たくさんのことをすることではなく、どれだけ心をこめたかです」のご紹介もあり、先生のお看取り、エンゼルケアに対する熱い思いを知ることができました。

今回の研修会は訪問看護認定看護師教育課程の研修生11名の方の参加を含め、40名程の参加がありました。今後も地域で活動されている医療・介護関係職種の方を中心に研修会を開いていきたいと思っています。ご希望の研修内容がありましたらどうぞお知らせください。