葉っぱ葉っぱ

いくつになってもその人らしく生きられる未来のために

水彩水彩

 一昨年、義母は自宅で眠るように息を引き取りました。生活のぬくもりに包まれた空間で交わした最期の言葉を忘れません。ありがとう、ありがとう、良かった……こちらが心配になるほど、義母は力強く、繰り返しました。いつも相手の幸せを願う、義母らしい言葉でした。横顔は生気に溢れ、輝いていたのを覚えています。その人らしい最期とは、その人らしい生き方なのだと義父母が教えてくれました。最期まで自宅で過ごしたいと願った義母と、寄り添い続けた義父を支えてくださったのは訪問看護師の方々です。遠方に暮らす私たちにとって、日々の介護にあたる義父の健康面や心のケアも含め、看護師さんたちの存在は大きな支えでした。

 超高齢社会のいま、老いへの不安を抱えながら、それでも前を向いて歩いていく時代です。私は、病院でご高齢者にアロマセラピートリートメントを行う仕事をしていた経験から、もっと日常的に生きる力を引き出す取り組みができないかと考え、庭づくりを軸に介護予防をサポートする非営利法人を発起しました。地域事業者さまから受託したお庭をシニアの皆さんと整備することで、運動機会や社会参加の「場」を創出する事業です。園芸療法士が植栽計画や活動内容をつくり、住民サポートメンバーがお手伝いをします。認知症と共に生きる方々とハーブを栽培して飲食店へ卸売を行う農福連携事業や、行政と連携した介護予防事業も展開しています。子育て世代のサポートメンバーにとっては、自身のリフレッシュはもちろん、ヘルシーエイジングのロールモデルに出会える「場」にもなっています。何より、年齢差を超えた友人に出会える「場」となって、長老に短歌を教えていただいたり、ご自宅でのランチに招いていただいたりと交流が広がっています。訪問看護をはじめ、専門職の方々と地域の支え合いがシームレスに繋がりながら、誰もが住み慣れた土地で豊かに暮らせる社会になればと願っています。

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