皆さま
今日から療養通所介護のインフォメーションブログをオープンします。療養通所介護推進ネットワーク設立準備会の世話人たちが中心となって情報を発信したり受けたりします。いつでもどこからでも見ることができるブログをとおして、皆さま方と情報を共有し、療養通所介護を大切に育てていきましょう。

はじめてのメッセージ

 訪問看護ステーションの多機能化で、医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ在宅中重度者をささえる拠点づくりをめざしませんか?
日本訪問看護振興財団では、平成15、16年度に厚生労働省の研究費補助により、「介護事業所における小規模多機能化事業(通所看護等)」に取り組み、平成17年度には、療養通所介護の創設に向けて、調査研究事業に携わってきました。
 平成18年4月1日から、介護保険法の一部改正に伴い、新たに「療養通所介護」が始まりました。この「療養通所介護」は、「通所介護」の1類型で、都道府県知事に届け出た「指定療養通所介護事業者」が利用者に通所サービスを行うものです。
 いつも看護師による観察が必要な難病等やがん末期の中重度者に療養通所介護計画に基づき、入浴、排泄、食事等の介護そのほかの日常生活上の世話及び機能訓練を行う事業です。
利用者の状態から、訪問看護ステーションの訪問看護と一体的に実施される通所サービスで、訪問看護ステーションとの併設によって看護の切れ目ない提供が可能となるでしょう。
訪問看護ステーションが制度化されて14年目を迎えます。地域の看護ニーズは増える一方ですが、訪問看護サービスの居宅サービスにおけるシェアはむしろ後退しているように見えます。
なぜでしょうか?
訪問看護師は「療養生活支援の専門家」として地域で看護力を十分発揮していますか?訪問看護の活用価値を地域住民に理解されていますか?ケアマネジャーは、看護ニーズをキャッチして的確なケアプランを作成していますか?
本来、看護は多機能です。誕生から看取りまで、キュアからケアまで、施設・地域を問わず、健康管理から疾病管理まで統合して生活を支えることができます。これほど応用の利く職種は他にはいないでしょう。しかし、地域には訪問看護サービスしかありません。1回1時間程度の訪問看護を週1から2回では、介護負担の軽減にはなかなかつながらないと思います。
これから、地域には独居や高齢者世帯が増える一方で、介護力はますます低下します。もちろん、一人ひとりの自助努力による自己管理力を向上させる支援をしますが、高齢であったり複数の疾患や重複する障害が重度化したり、終末期を迎える状態になったときには、看護サービスをフルに利用しなくては!!
療養通所介護事業所を訪問看護ステーションが併設できれば、訪問看護も通所サービスも提供できることになりますので、地域の看護サービス充実に向けて、大きな前進となるでしょう。さらに、将来的には重度障害児や在宅患者へもサービスを拡大したり、規模拡大や泊まりを含めたサービスにもっていく必要があるでしょう。
介護保険サービスにおいては、「看護師が管理者である」と明記された事業は訪問看護だけでしたが、「看護師が管理者である」と明記された2つ目の事業となります。主治医とは密に連携し、緊急時対応医療機関や「安全・サービス提供管理委員会」を設置することによって、安全性とサービスの質を確保します。医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ重度者を支える、介護保険サービスの新メニューとして誕生した「療養通所介護」で、軽度者から重度者まで支える地域包括ケアが可能となるでしょう。
私ども財団では、療養通所介護の従業者をサポートし、ご利用者やご家族にとって、安全で頼りがいのある、QOLを満たしたサービスとなるように普及に努めたいと思っています。
 
       平成18年3月31日

財団法人 日本訪問看護振興財団